不動産売却の媒介契約とは?契約形態の違いや締結する流れを紹介
2026/07/10
不動産売却を依頼する際に必ず締結するのが「媒介契約」です。
しかし、媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があるため、自分にはどれが合うのかと迷う方も多いでしょう。
この記事では、媒介契約の違いやメリット・デメリット、状況に応じた選び方を解説します。
契約期間のルールや契約締結までの流れもあわせて紹介しているので、はじめての不動産売却で失敗を避けたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
不動産売却で必要な媒介契約とは?
媒介契約とは、不動産売却を依頼する際に不動産会社と結ぶ契約のことで、宅地建物取引業法により締結が義務づけられています。
媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、依頼先の数や活動報告のルールが異なります。
媒介契約で取り決める内容
媒介契約を締結する際に交付する「媒介契約書」には、売却を進める上でのルールが記載されています。
主な項目は次のとおりです。
- 売出価格
- 業務内容
- 媒介契約の有効期間
- 仲介手数料の金額と支払い時期
- 不動産会社からの活動報告の頻度
- レインズへの登録の有無
署名・捺印の前に納得のいく契約内容かを確認し、疑問があればその場で質問しましょう。
媒介契約3種類の違いを比較
媒介契約で取り決める内容は、契約の種類によって異なります。
それぞれの違いは以下のとおりです
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
|---|---|---|---|
複数社への依頼 | できる | 1社のみ | 1社のみ |
自ら購入希望者を探す | できる | できる | できない |
レインズへの登録 | 任意 | 7営業日以内 | 5営業日以内 |
売却活動の報告頻度 | 任意 | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
有効期限 | 制限なし | 最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 |
ここでは「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。
専任媒介契約の特徴
専任媒介契約は、1社だけに売却を任せつつ、自分で見つけた購入希望者と直接取引もできる媒介契約です。
依頼先を1社に絞る分、不動産会社が広告費や人手をかけて積極的に売却活動を行います。
不動産会社には契約から7営業日以内のレインズ登録と、2週間に1回以上の活動報告が義務づけられています。
そのため、売主は販売状況をこまめに把握でき、不動産売却が初めての方でも安心して任せることができます。
専任媒介契約のメリットは、窓口が1社に絞られるため、担当者とのやり取りの手間が少ない点です。
複数の不動産会社に売却を依頼できる一般媒介契約では、それぞれの不動産会社と連絡を取り合わなければならないため、手間と時間がかかってしまいます。
また、売主が自ら購入希望者を見つけた場合、不動産会社を通さずに売買契約を進められるのもメリットです。
親族や知人に売れそうなあてがある方におすすめです。
一方で、専任媒介契約は売却の成否がその1社の力量に左右されてしまいます。
担当する不動産会社の営業力が弱いと、売れ行きが伸びないまま期間だけが過ぎる場合もあるでしょう。
専属専任媒介契約の特徴
専属専任媒介契約は、3種類の中で最も制約が強いものの、その分不動産会社に手厚く動いてもらえる契約形態です。
1社にしか依頼できない上、自分で購入希望者を見つけても、必ず不動産会社とともに売買契約を進めなければならないというルールがあります。
不動産会社には媒介契約から5営業日以内のレインズ登録と、1週間に1回以上の活動報告が義務づけられています。
専属専任媒介契約のメリットは、報告の頻度が最も高く、売却の動きを細かく追える点です。
問い合わせや内見の反応が毎週わかるため、値下げなどの判断も早めに打てるでしょう。
不動産会社にとっても成約すれば仲介手数料が確実に手に入るため、広告費をかけて最優先で売却に取り組みます。
売れ行きが不安な物件でも、担当者に力を入れてもらいやすい契約形態です。
ただし、専属専任媒介契約は自由度が低いことを理解しておきましょう。
親族や知人へ直接売却する場合も不動産会社を挟むため、仲介手数料が発生します。
また、媒介契約が1社に固定されるため、担当者との相性が悪くても契約満了まで変更することができません。
一般媒介契約の特徴
一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に売却を依頼できる、最も自由度の高い媒介契約です。
依頼先を1社に絞る必要はなく、自分で購入希望者を見つけて直接取引もできます。
不動産会社には活動報告やレインズ登録の義務がなく、有効期間の制限もありません。
一般媒介契約のメリットは、複数の不動産会社を競わせることができる点です。
特に駅近や築浅など人気の物件では、この競争が好条件での売却につながることもあります。
また、不動産会社を通さずに自分で購入希望者を見つけて売却する道も残せるため、選択肢を広く持ちたい方に向いています。
一方で、各社の本気度が下がりやすいことも理解しておきましょう。
どの不動産会社も他社で成約する可能性を意識しており、広告費や人手をかけないなど、売却活動を後回しにする恐れがあります。
さらに、売却活動の報告義務もないため、売却の進み具合は売主が自ら各社へ確かめなければなりません。
窓口が複数になる分、連絡や書類のやり取りの手間も増えてしまいます。
以下の記事では、不動産売却で必要な書類について解説しています。
京都で不動産売却をする際の必要書類とは?場面別・取得先別に解説
物件タイプ・状況別でみる媒介契約の選び方
ここでは、物件の人気度や売主の状況に合わせて、どの媒介契約を選ぶと売却がうまく進むのかを解説します
人気エリア・築浅物件の場合
人気エリアや築浅の物件は、一般媒介契約で複数社に競わせる売却方法がおすすめです。
購入希望者が集まりやすい物件は、積極的に売却活動をしなくとも問い合わせが入るため、不動産会社に後回しにされる心配が少ないのです。
さらに、複数社が同時に動けば購入希望者の母数が増え、購入申し込みまでつながりやすくなるでしょう。
ただし、信頼できる不動産会社が見つかっているのであれば、専任媒介契約や専属専任媒介契約も検討してください。
売却活動の窓口が1つに絞れるため、金額設定や売却活動の方針を密に相談しながら、腰を据えて売却を進められます。
売れ行きに自信がある物件でも、信頼できる不動産会社の有無で媒介契約を慎重に選びましょう。
郊外・築古など売りにくい物件の場合
郊外や築古など、売却に時間がかかりそうな物件は、専任媒介契約か専属専任媒介契約で1社に任せる売却方法が向いています。
購入希望者が限られる物件ほど、不動産会社に広告費と手間をかけて動いてもらう必要があるためです。
一般媒介契約では「他社で決まるかも」と後回しにされ、売れ残る恐れがありますが、専任媒介契約か専属専任媒介契約で不動産会社を1社に絞ればチラシやネット広告にも力を入れてもらえるでしょう。
さらに、定期的な報告で売れない原因が把握しやすいため、値下げや広告に関する対策も早く打てます。
物件が「売れにくいかも」と感じた場合は、任せる不動産会社を1社に絞るのがおすすめです。
初めての不動産売却で不安がある場合
初めての不動産売却で不安が大きい方は、報告の手厚い専任媒介契約か専属専任媒介契約を選ぶと安心です。
窓口が1社に絞られるため、担当者に相談しながら慎重に売却活動を進められます。
専任媒介契約なら2週間に1回、専属専任媒介契約であれば毎週活動報告が届き、売却の流れを把握しやすくなります。
わからない点をその場で聞ける相手が1人いるだけで、判断に迷う場面もぐっと減るでしょう。
初めての不動産売却で何から進めていいかわからない方は、信頼できる担当者を見つけ、二人三脚で売却を進めるのがおすすめです。
クラストホームでは、地域を熟知した担当者がお客様の状況に合わせた売却プランをご提案します。
クラストホームの魅力は以下の記事でまとめています。
媒介契約を締結する流れ
媒介契約を締結する流れは、大きく分けて3つのステップに分かれます。
査定の依頼から実際に媒介契約を結ぶまでの流れを見てみましょう。
1.売却する不動産の査定を依頼する
はじめに、売却したい不動産の査定を不動産会社に依頼します。
査定とは「不動産がいくらで売れそうか」を見積もってもらうことで、その対応が不動産会社を選ぶ判断材料にもなります。
査定を依頼する際は、その不動産会社の売却実績や得意なエリア・物件を調べておきましょう。
マンション売却に強い会社や、地元に根ざした会社など、得意分野は会社ごとに違うため、自分の物件と相性の良い不動産会社に頼めば、適切な査定金額が期待できます。
査定の段階では費用がかからないため、気になる不動産会社があれば声をかけてみましょう。
2.売却を依頼する不動産会社を選ぶ
査定結果が出揃えば、売却を任せる不動産会社を選びます。
もし複数の不動産会社へ査定を依頼している場合、査定金額の高さだけで決めるのではなく、査定金額の根拠がはっきりしているか、担当者の対応が丁寧か、なども比較してください。
相場より極端に高い査定金額を提示してくる不動産会社は、契約欲しさに数字を上乗せしている恐れがあります。
査定金額と担当者との相性を見極め、信頼できる担当者を選びましょう。
3.契約形態を選択し媒介契約を結ぶ
媒介契約を締結する不動産会社が決まれば、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の中から契約形態を選び、媒介契約を結びます。
「不動産売却が初めて」「担当者と腰を据えてじっくり売却を進めたい」という方は、専任媒介契約か専属専任媒介契約を選びましょう。
「たくさんの不動産会社に声をかけたい」「売却活動の方針は自分で決めたい」方は一般媒介契約が向いています。
もし契約形態に迷う場合は、それぞれの違いを担当者に説明してもらい、納得してから決めましょう。
不動産売却全体の流れを詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
媒介契約を締結する際の注意点
ここでは、媒介契約を結ぶ前に確認しておくべき注意点を紹介します。
契約期間と更新のルールを把握しておく
媒介契約を締結する前に、有効期間と更新の決まりを確認しておきましょう。
専任媒介契約と専属専任媒介契約は、有効期間が最長3ヶ月と法律で決められており、自動では更新されません。
そのため、不動産会社の売却活動に納得できなければ、更新せずに他社へ移ることも可能です。
契約更新ごとに売却活動を見直せるよう、事前に契約期間の長さを把握しておきましょう。
仲介手数料の上限と支払い時期を確認する
媒介契約を結ぶ際、仲介手数料の上限と支払うタイミングも確認しておきましょう。
仲介手数料は売買が成立して初めて発生し、金額は法律で上限が決められています。
売却価格が400万円を超える場合、上限は「売却価格×3%+6万円+消費税」です。
この式は、価格帯ごとに分かれた上限を一度で求めるための速算式です。
本来の上限は「200万円以下は5%」「200万円超〜400万円以下は4%」「400万円超は3%」と、価格を区切って計算します。
例えば3,000万円で売れた場合、価格帯ごとに次のように計算します。
- 200万円以下の部分:200万円×5%=10万円
- 200万円超〜400万円以下の部分:200万円×4%=8万円
- 400万円を超える部分:2,600万円×3%=78万円
3つを合計した96万円に消費税を加え、上限は105.6万円(税込)となります。
なぜ速算式に「+6万円」があるのかというと、低い価格帯を3%で計算した分の差額を補うためです。
- 200万円以下の部分:200万円×5%=10万円→200万円×3%=6万円(差額▲4万円)
- 200万円超〜400万円以下の部分:200万円×4%=8万円→200万円×3%=6万円(差額▲2万円)
つまり、物件価格を3%で掛けたあと、200万円以下の部分で4万円、200万円超〜400万円以下の部分で2万円、あわせて6万円の差を埋めるために「+6万円」があるのです。
仲介手数料を支払うタイミングは、売買契約時と引き渡し時に半分ずつ払う形が一般的です。
媒介契約書に記載された仲介手数料の欄で、総額と支払い時期を把握しておきましょう。
業務報告の内容や方法を把握する
売却活動中に定期的に届く業務報告は、売れ行きを追う上で欠かせない情報です。
そのため、媒介契約前に不動産会社からの活動報告の内容や方法を確かめておきましょう。
専属専任媒介契約は1週間に1回以上、専任媒介契約は2週間に1回以上の報告が義務づけられており、問い合わせや内見の数、広告の反応などを報告してもらえます。
具体的には以下の内容を確認してください。
- 報告の内容:電話での問い合わせ数・ホームページの閲覧数・顧客への紹介数など
- 通知方法:メール・書面・電話など
- 報告の頻度:具体的に何日に1回報告してくれるのか、一般媒介契約でも報告してくれるかなど
売却活動は不動産会社に一任することになるため、業務報告の内容から自分でも現状を把握できるようにしておきましょう。
媒介契約でよくある質問
最後に、媒介契約に関するよくある質問をまとめました。
媒介契約は途中で解除・変更できますか?
媒介契約を結んでいても、中途解約や種類の変更は可能です。
ただし、正当な理由なく一方的に解除することはできず、標準約款(国土交通省が定めた標準的な契約条項)では不動産会社に落ち度がある場合に中途解約できると定められています。
また、契約形態を変更する場合は、一度解約してから契約を結び直す必要があるため、担当者に相談してみましょう。
媒介契約を結ぶのにお金はかかりますか?
媒介契約を結ぶだけであれば、費用はかかりません。
仲介手数料や印紙代などの諸費用は、売買が成立して初めて発生するためです。
査定や通常の売却活動、ポータルサイトへの掲載にも別料金はかかりません。
ただし、売主が希望して「特別な広告」を追加した場合は、その実費を請求される場合があります。
特別な広告とは、通常の売却活動に含まれない、売主の希望で出す広告のことで、次のようなものが挙げられます。
- 新聞折込チラシを通常より広い範囲へ大量にまく
- 雑誌や情報誌の有料枠に掲載する
- ポータルサイトの目立つ枠に載せる有料オプションを使う
このような広告は、売主が依頼した場合に限り、実費を上乗せできる決まりです。
費用が気になる方は、契約を結ぶ前に追加費用の有無を確かめておきましょう。
媒介契約を結んでも、自分で買主を見つけたら手数料はかかりますか?
自分で見つけた購入希望者と売買契約を結べるかは、媒介契約の種類で変わります。
専任媒介契約と一般媒介契約は、売主が直接見つけた相手と不動産会社を通さず取引でき、仲介手数料もかかりません。
しかし、専属専任媒介契約は購入希望者を自分で見つけても、不動産会社とともに売買契約を進める必要があります。
身内や知人などに売却する売るあてがあり、取引を自分で進められる方は、専任媒介契約か一般媒介契約を選びましょう。
まとめ
この記事では、媒介契約の仕組みや種類ごとの違い、状況に合わせた選び方を解説しました。
媒介契約には一般・専任・専属専任の3種類があり、依頼できる不動産会社の数や報告の頻度が異なります。
1社に任せる専任・専属専任媒介契約は定期的に業務報告が届く一方、複数社に頼める一般媒介契約は自由度の高さが魅力です。
また、物件の立地や築年数、売却にどこまで関わりたいかによって、向いている契約形態は変わります。
媒介契約を締結する前に契約内容を確認し、地域に詳しい担当者を選べば、納得のいく売却につながるでしょう。
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まずは、あなたの不動産がいくらで売れるのかを確かめてみましょう。
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